意見を聞かない人

e0296801_1204181.jpg

これが「意見を聞かない人」の精神構造だ
http://toyokeizai.net/articles/-/66420


<他人の意見を聞かない、自分の都合ばかり押し通す人が増えているという。その精神構造について、『他人の意見を聞かない人』を書いた京都大学非常勤講師の片田珠美氏に聞いた。
──安倍晋三首相の真骨頂なのですか。

あの方は他人の意見を聞かない典型だ。
象徴的なのは、昨年12月の衆議院選挙開票の特別番組での言動だ。質問にいきなりイヤホンを外した。自分の言いたいことだけを言っているように見受けた。聞きたくないという意思表示にほかならない。
沖縄県の知事にもなかなか会わない。会わないのは、その人の意見を聞かないことを態度で示すメッセージだ。自分に対して批判的な意見は聞かないし、聞きたくないのだと思う。>

<ファシズムになっていく過程には、「差異の恐怖」を味わわせることがあるという。ほかの人と違うことをしたら、あるいは権力を持っている者に批判的なことを口にしたら、何かひどい目に遭うのではないか、そういう恐怖感を抱かせる。>


まさに現在の日本社会のことそのものですね。

しかし他人事ではありません。私も次の箇所では思い当たる節があり、読んでいてドキッとしました。


e0296801_12155268.jpg<──しかも、人の意見を聞かない人は増えているのですね。

増えている理由は三つ。
一つには社会がぎすぎすし、自分が大事という自己愛志向になりがちなこと。
二つ目は自己保身に走らざるをえない。ソニーや電通までが早期退職を募り、会社ではいす取りゲームが強まっている。ミスを認めたら、それこそ追い落とされかねないから、自分が悪いと認められないし、他人の意見を聞けない。
三つ目は実は自信のない人が増えている。自信のない人ほど強がる、虚勢を張る。他人の意見を聞いたら、自分が操作されて支配されてしまうのではないか、という不安があって聞かなくなる。>


要するに、例えば反骨精神旺盛で、理不尽なことが許せない、としている人間の行為の中にも、利己的な自己保身と欺瞞は満ち満ちている、ということでしょうね。

私も虐待家庭で育ち、いじめられっ子だったので、黙っていたら自分が酷い目に遭う、だから黙っていられない、そんな心理が強く働く傾向にあるようで、そういった部分では非常に自己愛的です。
ただ、逆につまらない自尊心や虚勢を張るために弱い立場の人をさらに追い詰めるような人間の残酷さ、というものも痛感しているので、まさに自己愛を発端として、広い意味で自分の同胞である弱者や少数者、その場で誤解を受けてしまっている人の気持ち、といったものも他人事とは思えない面もあります。
それが立ち止まって理性的に考える動機と、悪質な場合には庇いたくなる心理も生まれて、自分の中の一定のブレーキにはなっているようです。

そうした性質の核心についても触れられています。


<人の言うことを聞かないのは一種の受動的攻撃だ。上司に言い返せないでいると、鬱憤がたまる。それをどこかで吐き出さないと、自分の身が持たない。そこで置き換えというメカニズムが起きる。その人は攻撃の矛先の向きを変える。弱い者に向けていく。自分の部下が何を言っても聞かずとかの形で連鎖していく。駅員に暴言を吐いたり暴力を振るったり、店員が土下座して謝るまでおまえが悪いと言い続けるのも、連鎖の一端だろう。>

<集団化して意見を聞かず、ある種、いじめの手段のようになる。学校もそうだが、職場においても意見を全然聞かないなどで、その人物を追い詰めていきかねない。>

<──聞かない人より、聞けない人のほうが問題なのですか。

聞けない人は本当の病気だ。聞けない人にこそ妄想があったり、強迫観念があったり、強い自己愛がある。私は精神科医の経験が30年近くある。とかく重度の犯罪を起こした人でもカウンセリングを受ければ治る、更生するといわれるが、それはほとんどないといえる。三つ子の魂百まで。性格はほとんど変わらない。病識のない人は本当に難しい。

──病識?

精神科で「自分が病気であるという自覚」の意味でよく使う。病識がない人の治療がなぜ難しいか。自分から医者には行かないし、治療を受け入れられないから、薬を出しても飲まない。病識を持ってもらわないとカウンセリングはできない。>


「人の意見を聞かないからパワハラが起きる。他人と協力するのでなく、他人を支配しようとする。この違いは大きい。この社会自体が病気になり始めている。傾聴のトレーニングを体験しなくては傾聴しているか傾聴していないか自分では分からない」
そう仰られる方もいました。その通りだと思います。

傾聴のトレーニング、というのは、人間に興味を持つ機会をその人が持てるかどうか、といった部分が大きいですね。
お金持ちのぼんぼんやお嬢さん育ちで、貧乏人の粗野さを一面的にしか理解出来ない人でも、そういう人々と接触して人間同士として対等に触れ合う機会があると激変したりします。

e0296801_1253250.jpgぶっちゃけ男性は全般的に女性よりも相手の話を傾聴する能力が低いですよね。脳構造の違いもあって生理学的にもそうした相違は歴然としている訳ですが、会話中の当為即答なセンスなどでは敵わなくとも、興味を持てば掘り下げて関心を持つことは出来ます。
教育とコミュニケーションスキル、私自身もそのどちらも上等なものではありません。どうにもその場の会話では相手の真意を計り兼ねる愚鈍さがあって、後から気になったことを一人で長々と考えてようやく少しだけ理解が進む、といった遅さです。
ですが、そうやって成長してしまった大人であっても、主体的に関心を持つことで変わっていくことが出来る、とも思います。

他人のことを完璧に理解出来る人間などいません。
教育やその人個人の体験、またそうした機会を設けること、そうしたことによって、能力の優劣でなく、それぞれの人なりに人間に関心を持つ、というところにこそ要があると感じます。

ですが、少なくとも「病識」のない国家元首など要らない気がします。
みんなの意見を取りまとめるような人物が私たち国民の代理人にならなければ、民主主義は正常に機能していきません。
[PR]
by catalyticmonk | 2015-04-22 11:21 | 意思疎通 | Comments(0)


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


by catalyticmonk

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
インド生活
貨幣経済
学校教育
チャップリン
経済開発と環境破壊
忘れ物
輪廻転生
言論の自由と情報リテラシー
自己経歴
名古屋及び尾張地方の土地柄
貧困差別・人権教育
不安夢
旅の糧
異端者を作り出し疎外する社会
瞑想センター
大量消費社会の本質
読書
Drawling Stone
ネアンデルタール人
盗作事件
プロパガンダ報道
ゆとり社会
皆影響され翻弄される
人間は必ず過ちを犯す
地球人
優越感の生物学的功罪
グローバリゼーションと全体主義
衆愚政治の回避と個の確立
季節の変わり目
ネグレクト、児童虐待
生と死のリテラシー
宗教の救済性と排他性
地元意識と首都
ブラック企業
反戦
湯宿ファンタジー
福島第一原発事故
陰謀論とオカルト
魔女狩り
性の分断
ジェンダー
依存症
ネオテニー論
ゲマインシャフト
希望社会
意思疎通
メディアリテラシー
個の尊重と人権
イスラエル
風俗業
集団的自衛権
嫌韓嫌中
サイコパス
ごみ屋敷
呪術
ファッション
食品添加物
ポジティブ思考
表現の自由
太鼓持ち芸人
無縁社会
経済と個人の実存
ヤンキー文化
精神医療
監視社会
相互抑圧
思想の自発的更新性
消費課税
高度情報化社会とSNSに感ずる諸々
草の根市民運動と選挙
マイノリティー差別
喫煙
人間の尊厳
支配構造
地震
食事
セクシャリティ
推敲
オトコ
未分類

フォロー中のブログ

最新のコメント

そう、普段の生活からやっ..
by catalyticmonk at 02:00
日本人って、価値観が異な..
by あ# at 16:50
分かります。 それが便..
by catalyticmonk at 17:51
その力が国民にはあるから..
by catalyticmonk at 17:32
総理は社長かもしれません..
by きょうかいな at 22:42
ども(・Д・)ノ
by catalyticmonk at 18:36
本当の自分の強みや弱味っ..
by 双子ママのErin at 22:46
なんかどことなく高円寺の..
by catalyticmonk at 19:34
コメントありがとうござい..
by catalyticmonk at 19:23
個人的に楽しむ次元」だと..
by ガス抜き at 23:08

メモ帳

最新のトラックバック

venushack.com
from venushack.com
venushack.com
from venushack.com
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
呪術師,寄合,メディア
from 哲学はなぜ間違うのか
シールズ関西のブログ記事
from 御言葉をください2

ライフログ

検索

ブログパーツ

最新の記事

民主主義未満
at 2017-06-19 01:29
自由と命の爪跡
at 2017-06-19 00:11
市民共闘
at 2017-06-18 06:07
私が病気をしてから日本の政治..
at 2017-05-23 23:37
忘れ物
at 2017-05-23 23:06
いいじゃんか、ちょっとふっく..
at 2017-05-23 22:37
手法の相違と大同団結
at 2017-05-23 22:27
差別意識と社会構造
at 2017-05-19 12:43
死を忌み嫌うマナー
at 2017-05-15 00:58
精神論の適用可能範囲
at 2017-05-14 01:41
いじめ社会
at 2017-05-12 00:18
手術前日の夢
at 2017-05-10 00:34
外づらのいい日本人と共生社会
at 2017-05-09 00:07
個人の自由と公共性の間にあるもの
at 2017-05-04 10:38
「ファム・ファタール」が表す..
at 2017-05-01 23:27
ワイドショー的な文化
at 2017-05-01 02:25
陰謀論と社会運動
at 2017-05-01 00:38
多様性と共生社会
at 2017-04-24 12:53
民主社会と内輪ノリ
at 2017-04-24 01:43
便利で華やかな貧しさについて
at 2017-04-24 01:30

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
哲学・思想

画像一覧