市民社会における中庸と主体性の実際

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はっきり意見を言うことへの躊躇がひろがっている
http://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/06/09/151202

「庶民、民衆、市民を馬鹿にしてはいけないという。バカにするのはエリート主義だという。そう言って本当には民衆を馬鹿にしているのがほとんどの政治家だし活動家だし学者だ。その構造を私は主流秩序という。」

なんかめちゃくちゃ同意見ですね。
現実主義と啓蒙活動のバランス、みたいなものがまずあって、でもそこの中で日本人は現状の中での改革が容易な方向に「寄らば大樹の陰」的に流れていって、どちらも必要な視点や姿勢のはずなのに、啓蒙活動的な態度には逆にみんなで攻撃を加えてしまうようなところがあります。

それではいつまで経っても意識改革が進まない根無し草的な姿勢になる、というところを言っても、もっと現実を見て、伝わりやすく言え、となる。
そういった風だから、当事者である貧困や差別に喘ぐ人にまでそういう態度・視点でいる、中庸でスマートな知的エリートみたいな人たちの、傍観者的な偉そうな物言いも野放しになりやすい。だから、私は何度そのことに憤激して来たんだか。

あと、組織として無難に中庸な立場を保つために、理不尽な目に遭ったり弱っている関係者のことを見て見ぬふりをすることが、大局を見た政治的姿勢であるとする要素も、事勿れ主義の強い日本人には多々あるようです。
ですが、組織の姿勢としてそうであれば、そこと関わっている関係者は長い時間のうちに必ずそうした側面にも直面しますから、結局それは信頼関係を危うくして、結束力の弱い、理念の本質が不明瞭な集団になってしまうということが、中庸と事勿れ主義を追求し過ぎた結果よく起きてくることなのではないでしょうか。


次のような記事を先日書かれておられた知り合いの方がおられました。

<今どんな気持ち?

Facebookに聴かれたので。
わじわじ~としているのだ。

しかし、戻らねばならぬ。

ので、那覇空港なう。

急いででてきたのに、1時間15分の遅延。
まだまだここでぼーっとしてないと。
コンセントのない那覇空港、トイレでパソコンしてます。

ゲート前のシルバーチームにあちこち寄ってもらいながら宜野座インターまで送っていただき、高速バスのバス停で14時にやっとこ弁当をたべた。
沖縄が好きだ。
沖縄の人が好きだ。
辺野古大浦の海が大好きだ。
仲間が大好きだ。
出会った人みんなが大事だ。
誰も戦争に行かせたくない人殺しさせたくないし、されたくもない。

なんで海上保安庁のにぃにぃたちと、毎日毎日、こんなことしないといけないのか。
弁当食べながら、涙がでてきた。
みんな、個人だったら私らと変わらんふつーの人だ
組織に絡めとられてしまってる。
海上保安庁だけじゃない。
辺野古の新基地建設反対している人たちだって、原発反対している人たちだって、なんか「組織」になった途端になんかおかしくなってる。

組織って、なんだろう・・・

涙がでてくる。

今日は午前中だけだったので、カヌーに乗っても誰も瀬嵩から辺野古に送ってくれないよね、ってことで、平和丸1号に乗船しカヌーサポート。
KEN子ちゃんが連れてきてくれた馬っこを一緒に連れていったので、海保の皆さんに紹介してみた。
「うちの馬コです。よろしく!」
皆さんは反応はまちまちでした。
1号担当?のGBの皆さんは一応対応してくれました。サンクス。他の船担当?の皆さんにはシカトされました。寂しい(笑)

で、今日は一番近かったスパッド台船が動くであろうということでいつもよりだいぶ早く浜を出て抗議。
10時過ぎにだったか、いよいよタグボートが動き出したので、カヌーメンバーみんなで止めにフロートの中へーー。
私も飛び込んだ仲間のカヌーが船に残っていたのでそいつに乗って台船目指して行ったものの、やはり手前で敢え無く確保。
その後、救急車で運ばれた若い女の子に付き添うため、GBから降りない!といっていたら、4人がかりで別のGBに無理くり移されそうになった。
なんでそこまでして彼女1人にしたかったのだ?
20代前半の若い女性がGBの上で、サングラスかけた屈強なにぃにぃたち5人に1人囲まれたら怖いじゃないか!
多分みんな手荒なことはしないと思うけど、精神的にはしんどいよ。兄さんたちよ、そいつはやめてけろな。
救急車には、海保のにぃにぃも1人乗ってきた。
サングラスを取れば、なんだかフツーの人なんだよね・・・
会話もふつー(海保のにぃにぃは私と余計なことお話したくないからか、ふつーにややぎこちなかったけど(笑))。
家族もいるだろうに。

そして、病院で診察を受けた彼女は幸い大事なく、辺野古のテントに戻ってきたけれど、正直、毎日打撲や擦り傷は絶えない。
嫁入り前の色白の柔らかそうな肌にどす黒い痣(:_;)

もうこんなことをしないとダメな社会はやめにしよう。
圧倒的な民意を無視し、大多数の憲法学者のコメントも無視し、戦争と金儲けに直走り、沖縄と民を虫けらのように扱う日米両政府、官僚、大企業等々には消えてもらおう。

沖縄にもたくさんの人々が暮らしているんだよ。
多くの生き物たちが生きているんだよ。

軍事基地を作っても、人々の暮らしは守られないんだよ。
戦争で、平和で幸せな暮らしなど、手に入れられないのだよ。

基地や武器や戦争がなければ暮らしが守られないという人は、それで金儲けをしている人たちだけです。
そいつらのために、作業員の人たちも、海保の人たちも、沖縄の人たちも、世界中の人たちも、反対している私たちも、みんな犠牲になっているのです。

こんなの、もう、やめっぺずー。>
https://www.facebook.com/chieko.hotta/posts/835699746505341?comment_id=835934369815212&ref=notif¬if_t=feed_comment_reply


真っ直ぐな心情が、そのまま正論となって胸に響く名文ですね。素直かつ本気の人にしか書けない、何の気取りもない赤裸々な文章。
それが辺野古問題の矛盾を、誰にでも理解出来る言葉で雄弁に語り尽くしています。
そんなに親しい方でもないのですが、凄い人だなあ、この人は、と感服しました。

結局のところは、私たち一人一人の意識がどれほど民主主義に根差して行けるかどうかに掛かっていて、作業員の人たちも、海保の人たちも、沖縄の人たちも、世界中の人たちも、反対している私たちも、みんな同じなんだ、とこの方に言われている気がしました。

強い者が正しいんじゃない。
ただ強くないと、迷いや心の弱みに付け入られて邪な連中に操られてしまうから。
また、背伸びして強がっていても、結局別の弱さに心を支配されて、自分自身を見失ってしまうから。
だから出来る範囲で少しずつ、賢く正気を保って行かなければいけないという、そういう現実があるだけなように私には思えます。

民主主義って、ただの多数決を取って自分がやりたいように他の人を従わせるための仕組みじゃないでしょう?
みんなが互いの尊厳を尊重して、平和にそれぞれが輝いて生きれるためにあるものでしょう?

声の高い強気な者が、最大公約数的な中庸な温度の意見ばかりが、イコール正しいかのような風潮は、
「軍事基地を作っても、人々の暮らしは守られないんだよ。
戦争で、平和で幸せな暮らしなど、手に入れられないのだよ」
という彼女の言葉のような、最も真っ当で全ての人に訴え得る想いも掻き消してしまうのではないですかね。


最初のリンク記事の内容に戻ります。
「自分はそんなに左ではないと言って保身を図る愚かさに警戒したいと思う。」

そこも分かります。
私は無党派なので、特定政党とセットで自分が捉えられると、そういう組織からの保護もないのに色眼鏡で見られて損だ、という現実はあるのですが、だからと言って、今ある目の前の社会を自分が主体的に望む方向になってもらいたいと思った時には、白票ではなく、一番自分の考えに近い政策の政党や候補者に投票する訳です。

そういう選択をしながら、「無色透明な」市民運動はするけど色眼鏡を付けられないように選挙応援はしない、という選択が、私個人には卑怯に感じた。だから、選挙毎に共産党や社民党の候補を支持応援したのだけれど、正直、共産党候補を応援した時には相当酷い目に遭いましたね。それは私が無党派の立場で、共産党アレルギーのある市民活動家の知り合いも多かったからですが(http://catalytic.exblog.jp/22798986/)。

でも、今は政府安倍政権の戦争法案のごり押しに、憲法学者も各野党、自民党の重鎮からも異論・反論が噴出して、福島みずほさんが国会で「戦争法案という言葉を使うな」と言われたら市民派みんなが党派の垣根を超えて擁護したし、志位委員長が安倍首相に戦争法案のデタラメさを理路整然かつ鬼気迫る調子で追及したら、それまで共産党アレルギーだった人々まで氏を賞賛し出した。

やっぱり、いざとなればみんな何かの選択をするんです。その、最初の一人になる勇気を誰もが持てるか、と言ったら、人それぞれの優先事項が人生においてあるでしょうから難しいかも知れませんが、「自分が」主体的な意思を持った選挙民であり、この国の主権者である国民だから、それを守るために具体的な行動や選択を自身で行なっていこう、という意志は大切だと感じます。
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by catalyticmonk | 2015-06-11 15:10 | 希望社会 | Comments(2)
Commented by tomo1979 at 2015-06-15 00:34 x
こんばんは、先日はお返事を頂き、有難うございました。

>そういった風だから、当事者である貧困や差別に喘ぐ人にまでそういう態度・視点でいる、中庸でスマートな知的エリートみたいな人たちの、傍観者的な偉そうな物言いも野放しになりやすい。だから、私は何度そのことに憤激して来たんだか。

私が直接言われたわけではありませんが、活動に参加しない・又は出来ない人々のことを十把一絡げに、
そうした人々の事情や置かれた状況も斟酌せず、
読み手への配慮や敬意を欠き、心を足蹴にするように罵倒する言葉を、
自分のサイトに書いていたある著名なジャーナリストのことを思い出しました。

他人が置かれた状況の中でどれだけ精一杯生きているか、また大変な中もがいているかを省みない、敬意も配慮も欠いた言葉
(マリー・アントワネットの「パンが食べられなければ、ケーキを…」の言葉に通じるものがあると思います)
って、非常な暴力になり得ますよね。

上記のジャーナリストに限らず、河元様が挙げていらっしゃる「知的エリート」みたいな人達の言葉を聞くと、
「神様席」に座ったまま泥も被らずに、偉そうな事ばかり言えるなんて、とても結構なご身分なんだなと、腹立ち紛れに言いたくなります。

ちなみに私は、一度でもそういう類の言葉を発した人間(特に社会的影響の大きい)は、
たとえ他の多くの人々が褒め称え、評価していても、
「そんな人を踏みつけにする言葉を吐くような人間なんか、信用するか」
という思いが先に来てしまいます。
この私の思いを、淘汰されるべき人間の、また「ノイジーマイノリティ」の戯言と笑う人もいるかもしれませんが。

河元様のお知り合いの方の
>「軍事基地を作っても、人々の暮らしは守られないんだよ。
>戦争で、平和で幸せな暮らしなど、手に入れられないのだよ」
というお言葉は、私の中にぐさりと重く刺さってきました。
このことを一人でも多くの政治家は、もっと分かってくれ!!と、言いたいです。
Commented by catalyticmonk at 2015-06-23 17:23
私生活でゴタゴタしておりまして、心のこもったコメントに気付くのが遅れ、大変恐縮です。

仰ることには同感です。
ただ、一度でもそういう類の言葉を発した人間は、他の多くの人々が褒め称え、評価していても、「そんな人を踏みつけにする言葉を吐くような人間なんか、信用するか」となるとですね、現実にはそんなことだらけですし、またどんな高名・博学な人物であっても人間なので一時的な認識不足や誤解、といったことは絶対にあるので、そこら辺に対してある程度寛容でないとお互いに息苦しいし、物事が一歩も前に進まない、といった部分はやはりあると思います。
ですが同時に、同じ人間であっても、社会的影響の大きい人物は簡単に人を踏みつけに出来てしまうので、「神様席」に座られていられても困る、という正当な主張と対等な議論が為されていかなければなりませんよね。


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


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