カテゴリ:大量消費社会の本質( 3 )

美女と大量消費社会の野獣

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CP+2017の会場に行って改めて思ったけど、モデルさんて、本当に取って付けたような笑顔ができるんだな。
普段、商業広告媒体でそれをなんとなく眺めてみんな暮らしている訳だけど、生で見ると超不自然で、なんと言うか、その目の前にいる人間を表情で評価できないような違和感を感じる。

で、自分個人に向かってその演技をされると、特に男はイチコロな訳だ。悔しいけどさ、自分なんて入院中は回診に来た若い女医さんすら、話し出すとスイッチが入って止まらなくなって食い付いて、なかなか放さなかったぞ(笑)。

e0296801_22524154.jpgどうせ撮るなら、その「取って付けた感」をどうにか切り取ってやろう、と思ったけど、撮り出すともう1、2分でミイラ取りがミイラになる。美女ならそれだけでも絵になるもんね。だから、コマーシャリズムとセットになっているんだ。

まあ、ビジュアルのいいものは、それ自体がネタになるし、写す側もわざわざ手間暇かけて向き合うならそっちの方が得だし、ウンザリしないからモチベーションが保てる、という面はあるでしょう。

だけど、人の顔の好悪なんて結局主観でもあるからね。自分なんて派手派手しい美女より、庶民的な笑顔の女性の方が味わい深く魅力的に感じるし。そこは、やっぱり個人の感性なんだ。
あと、自然な表情やシチュエーションとの組み合わせで伝わってくる情景というものも色々あるから、そういうのはむき出しの商業演出じゃあなかなか現れて来ない世界の魅力だよね。

でも、大量消費社会の野獣は、広告対象をそこに一人一人の人間性が付いていない、ただの記号に変えてしまう。
小さな町の酒場で、何処其処のお店の娘さんが超可愛くてみんなの人気者になり、おかみさんに男の馬鹿さ加減を笑われているような、そういうお互いが気心の知れた世界ではもうない、ということだ。
自分が見世物になって消費される立場に立つと屈辱や弊害も多い訳で、注目され、チヤホヤされる得もあるだろうけど、コマーシャリズムのような幻想で回っている社会だと倒錯した出来事も増える。

人間の欲望を動力源にしている消費社会や娯楽文化が、本質的な物事から遠去かり、思い込みによる偏見を増やして、共同体の信頼が失われる世界の進行を加速させている。
だけれど、そもそもそれは、経済活動重視の価値観が社会に広まった結果として、従来の家族や共同体の単位が破壊されたからだけどね。だから、性が商品化される反面、男女の溝も深まってギスギスした世の中になり、現実的に倒錯した事件も増える。

誰か特定の人間の支配操縦を受けやすくなる現実を知ってしまっているからこそ、企業宣伝として行われている美女の笑顔を大量に見る事は、自ずと無邪気な喜び以外の印象も連れてくる。
だけど撮ったんだけどさ。ハッ。
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だから資本主義は世界征服に成功したんだよね。楽しくないと、正しい内容を叫んでいても、欲望とタイアップできた楽しい通俗性に負けてしまう。

e0296801_164994.jpgディズニーランドも、Windowsも、国際金融資本の魔手だ、と言って使わない、近寄らないで生きられる時代でもないし、もしそんな堅苦しい態度でいたら、搾取構造に完敗するというね。そういうパラドックスが現実なんだよね。
楽しいもので釣るのと、辛く理不尽なものを訴えるのでは、人間は欲望で生きているから、楽しいものに負けちゃうんだ。

ちなみに、学力世界一のフィンランドの学校には、宿題がないという。
全国統一テストはなく、学校は学力を競い合う場所ではない。子供が将来幸福になる方法を身に付けるための場所だとされている。
子供は自分がなりたいものになるために、夢を叶えるために学び、社会や大人はそのサポートをする。子供は遊ぶ事が何より大切とされている。だから、学力世界一。
ある意味、楽しさと人的資源開発のタイアップが成功している訳だ。

私たちが望むものは何なのか。
人間は社会的動物だから、関係性の喜びが幸福の本質にあるはずなのだけれど。
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by catalyticmonk | 2017-02-28 22:55 | 大量消費社会の本質 | Comments(0)

椎名林檎のPVに見る太鼓持ち芸人の生産構造

椎名林檎 - 『NIPPON』<いよいよ後半戦Ver.>
https://m.youtube.com/watch?sns=fb&v=0H4ZVbUmUYI


感心するほどおぞましい、というのが私個人の率直な感想です。
しかし、これは現在の日本の大衆文化がどういう状況であるかを測るには、実にいいサンプルだと感じます。

まず、この映像を観た多くの方がそう感じているのではないかと想像するのですが、ここで椎名林檎が本気で愛国心を鼓舞しているのではなく、クライアントをバカにしているのだとしても、物凄く捩れた陶酔が含まれているように感じます。
反抗するという意志もない、ただのニヒリズムとしての倒錯的な陶酔が。
本気で応援していたとしたら、それはそれでタナトス全開で国家を讃えているのですから、狂気そのものです。タナトスとしての愛国心は、スポーツ試合の持つ国際親善としての意義に害悪しかもたらしません。

彼女は元々そういった種類の退廃を体現している表現者なのでしょう。
が、それは結局、ロックが生き方よりファッションとしての比重が大半を占めるようになった音楽業界の流れの中における、陳腐なスタイルの細分化でしかなかった。そう、このPVはまざまざと見せ付けてくれている気がします。

目の前にある既存の状況に飲み込まれて騙されたくなかったら、物事はたまに大げさに掘り下げて考えてみるくらいの方がいいんです。
あんまり何でもかんでも掘り下げると陰謀論マニアになってしまう危険もありますが。

そこでもう一段階踏み込んだ大風呂敷を広げさせてもらいたいのですが、すべての表現者はパトロンを必要とするものですし、彼女の表現を一つの芸術様式として極力公平に認めたとしても、紙幣交換のようなものがあるのではないかと私は感じます。

退廃的でニヒリスティックな人物が作ったエンターテイメントを、商品の持つ本当の意味での表現の「質」ではなく、「病んでいる精神の絶対量」みたいな部分の等価交換で誰かが喜んで消費する、だからこのようなものは資本家にも歓迎され、大量消費経済の中でも大きく引き立てられるのではないでしょうか。
一見、どちらも質の問題であるようで、実は作品の直接的な質とは隔たったところに等価交換が成立する別の意味の記号量が存在し、そうした次元で巧妙に幅広い文化活動を接収しているので、資本主義経済における勝者は数多くの太鼓持ち芸人を抱えることが出来るのです。
要するに金の力で娯楽が商品化される過程を懐柔した上で、権力側にとって都合のいい題材だけを大衆に提供し、それがあたかも自由意思による文化の展開であるかのような演出にさえ成功しているわけです。

それは当然なぜ自民党が力を得るか、なぜ日本のマスメディアはデタラメな報道をし続けてもなかなか潰れないのか、といった問題にまでつながっていると思いますし、大衆文化の中にも存在するその「根っこ」と実際の姿がどのような形を取るのか、改めて見直す視点を提供してくれている気がします。
そこの部分まで彼女が計算尽くの確信犯であったなら、真のカウンターカルチャー・アーティストとして絶賛するのですが、オリジナル・ヴァージョンを参照すると、さらにそんなことはない印象を持ちます。

椎名林檎 - 『NIPPON』
https://m.youtube.com/watch?v=UMlqTEVMZFE

不良がいつまでも不良のままでいたら、せいぜいが守銭奴にしかならないのではないか、と私は時々思います。
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by catalyticmonk | 2014-06-27 02:14 | 大量消費社会の本質 | Comments(0)

最高の瞬間

e0296801_14183921.jpgまぁ、今、自分にとって最高な瞬間は、旨いビール飲んで美味しい料理を食べてる瞬間か、妻をカワイイなって感じている時、あと、やっぱり音楽聴いて楽しい時か、他にも人生の喜びは旅とか自然とか創作の達成感とか色々あるのは知ってはいる。
でも、最高の瞬間は最高そのものなのであって、あまり色々求め続けても幸福を味わう時間がなくなるとも考えている。
もちろん、幸福の糸口も掴んでない若者なら、若しくは人生のどん底なら、まずは必死でもがけばいいと思う。 しかし、それをもういくらか手にしていても、いつまで経っても満足してそれを味わうことの出来ない人間が、今の時代非常に多い気がする。
だから、「夢を追い求め続ける」ことを必要以上に奨励する社会風潮というものは、ある面、そういう病的な現代人の強迫観念を覆い隠し正当化するための、大きな罠だとも言える。
動いてみなければ分からないことは世の中多いのだし、そういう生命力を稼働させる手段としても、苦境を乗り越える希望の意志を持つためにも、夢は持てばいい。でも、いつまで経っても「もっともっと」と夢遊病者のように目の前にある人生に愛情を持てず、心貧しく、忙しなく生きるのは、やはり間違いだ。

ただ、そうした態度が大量消費社会を維持する上では非常に都合がいいし、お金儲けで回っている近代資本主義市場にフィットするから、但し書きを省いて世界中で過剰に称賛されている。
結果、みんなが満ち足りない、あくせくした日々を送り、浅ましい競争心や他者への無意味な敵意まで益々増大させて、科学・技術分野の目覚ましい進歩や物質的豊かさの発達、能率化の向上など文明の華々しい成果の割に、一人一人の精神的豊かさや文化の多様性がないがしろにされ、世界人口の爆発的増大とともに貧富の差も益々歴史上かつて存在しなかった規模にまで拡大し、全体としては不毛な現代社会となっている。

e0296801_14241928.jpg何気ない日常の風潮の中に、実は決定的な過ちが潜んでいて、それが我々の社会の価値観・常識とされるものの中にまで深く根付いている。
それは目の前から変えていくべきだし、私達が無邪気な子供のように「もっともっと」と次のオモチャを追い求めることが実際に時代を弄ぶ巨大な悪徳の直接的な動力源になっているという現実を、もういい加減みんな気付いて目を覚ますべきだ。
今の世界全体が、時代霊と呼んでもいいような「魔物」の仕組んだ大きなウソっぱちに突き動かされていて病んでるのだけれど、私達自身がその中に組み込まれているのも事実だ。
だからこそ、どんなに大きな世界の仕組みが相手であっても、私達一人一人が確実に出来ることがあると信じていいと私は思うし、実際そのようにしか変わりようがないんじゃないだろうか。それは実は私達人間自身の問題に他ならないのだから。
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by catalyticmonk | 2012-08-26 21:56 | 大量消費社会の本質 | Comments(1)


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


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