カテゴリ:プロパガンダ報道( 2 )

ダライ・ラマ法王の扱いから見えてくる日本の屈折

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ダライ・ラマ法王14世が来日中です(http://www.tibethouse.jp/event/2015/150412sermon.html)。
別に私はチベット仏教徒でもないのですが、ダライ・ラマ法王への誤解を一応解いておきたいと思います。
理由は単純で、私はチベット亡命政府運営の文化学校へ留学もしていた身なので(http://catalytic.exblog.jp/18756754/)、それが誤解であり、かつ原発推進派や右翼に湾曲した形で利用されているのを知っているからです。

私自身は、一昔前の日本の山の村人のようなアジア的な価値観であったチベット文化とリベラルな思想の持ち主である自分とのギャップを感じて学校を辞めた人間なので、特別チベット贔屓なはずもないのですが、誤った見解であると知っていながら放置しておくのも気が咎めます。
また今、法王が来日されている事実が、今回日本のメディアにまるで報道されないのも、統一地方選のタイミングとも重なっていますし、政治的な意図がどこかで働いている気がしてなりません。

とにかくこの国は、政府や専門機関、マスコミが正しい情報を伝えないために、民間で流布する言説も混乱したものになりがちです。

たとえば自殺率に関しても年間3万人の自殺者で多いと騒いでいますが、日本の場合は法的な事情で遺書がないと自殺者数にカウントしていないので、WHOの国際基準に合わせて計算すると年間11万人の自殺者数で、これだと韓国などを抜き世界一の自殺率になる計算です。意図的なデータ改竄をしている可能性が高いのです。
日本には年間15万人ほどの変死者がいてWHOではその半分を自殺者としてカウントするので、公表すべき自殺者数は本当は11万人ほど、ということに自ずとなるのです(http://ronri2.web.fc2.com/tokei02.html)。

さて、まず、ダライ・ラマ法王は原発推進派だ、という言説が、この数年来、忘れた頃に復活して広まるので、そこの説明から。
えーとですね、確かにダライラマ法王は2011年に来日した時の会見で、「原発容認」とも受け取れる発言をしています。
しかし、その後、すぐに「十分な代替があるのであれば、完全に原子力を撤廃できれば素晴らしい」と発言の意図を説明し直しています(http://news.ameba.jp/20120421-641/)。

素人ですからね。そこは周囲から何を吹き込まれたか次第なところもあるのだと思います。
問題は、一回科学者でもない宗教者が言った発言がずーっと何度も繰り返し吹聴されていることのほうで、そちらこそ原発推進派の意図が作用していると私は見なしています。

あと、もっと言うとですね、日本では中国共産党への反感とセットで右翼系の人がチベット問題の擁護をしていることが多くてですね、チベット擁護をしてくれている右翼系の団体に原発推進派的な論調があったのも確認しています。
ですから、日本へ来る前後に、支援団体の関係者から丸め込まれた可能性もあるんですねえ。

で、そこはもっとねじれがあって、ダライ・ラマ法王は確かに中国共産党の侵略によって亡命を余儀なくされた身なのですが、それ以前に毛沢東らからかなりマルクスの思想の手ほどきを受けたそうで(http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/517.html)、
「共産主義者は、貧者の平等と権利についてほぼ十分に配慮している」「これは仏教徒の原則にとても似ている。利他主義、他者、特に求めている人への関心などだ。ヒューマニズムの二つの形として、仏教と共産主義の間に、実際には矛盾はない。問題は共産主義が自己に忠実でなかったことだ」
などと言っていて、
「わたしは今もマルクス主義者だと自認しており、わたしの脳みその方が中国の指導者より『赤い』と感じることもある」
なんて発言するような人なんですよ(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0521&f=politics_0521_009.shtml)。
ですから、日本でチベット問題の主な擁護者が右派だというのは、中国との関係があるにせよ、物凄くねじれた現象なんです。

よく私は自分と直接関係のない団体や人物を擁護して「どっかの回し者」なんて揶揄されたりさえするのですが、私のそういった行動は自分の原点が差別や抑圧への怒りだからであり、人間の尊厳や自由、平等を守りたい、という気持ちがいつも強く働くためです。
今のことで言えば、私は現在チベット関係の団体とは何の交流も特別なつながりもありません。
ですが、隣の家に泥棒が入ろうとしている時に、「あれはよその家のことで、私の家に泥棒が入る訳ではないから関係ない」というような、社会道徳がない世界であったなら、家の外は弱肉強食の恐ろしい世の中になってしまい、自分の娘が外出する時にも心配で仕方なくなることでしょう。

正しい事実を公平に見ないと振り回されるのは私たち自身です。
そして、この国は現在、残念ながら国民にあまり正確な情報を与えてくれません。自分たちで考えていくより他ないですよね。素人だからと言って、誰か他の人に判断を任せるようではまずい訳です。
素人だからこそ間違った判断や思い込みも多くあるでしょうが、それはみんなで知恵を出し合っていけばすぐに大体の妥当な事実も掴めてくるものです。
自主的に考え動かなかった結果として、自分たちの意思とは違う誰か別の力に支配され、悔やむことのないように、今日の選挙にも投票に行って、失敗を恐れず行きましょう!
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by catalyticmonk | 2015-04-12 16:20 | プロパガンダ報道 | Comments(0)

プロパガンダ報道との決別を

暗闇の登別「泊原発なければ冬乗り切れぬ」 北海道大規模停電ルポ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121129/dst12112921550009-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121129/dst12112921550009-n2.htm

暴風雪の影響で北海道登別市などの大規模停電被害は29日も続いた。北海道を代表する観光地、登別の温泉街はひっそりと静まりかえり、夜のとばりが降りると信号も消えた街を暗闇が覆った。衆院選を戦う各党に「脱原発」の動きが目立つ中、ひとたび大規模停電に陥れば市民生活が脅かされる現実を見せつけている。(大竹直樹)

「街は死んだような状態だ。町中真っ暗で電話もタクシー無線も通じない。商売あがったりだ」。JR登別駅前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性(65)が嘆く。

夜、小雪が舞う登別温泉街に着くと、観光客の姿はなく、凍(い)てつく強風が土産物店のシャッターを揺らしていた。

営業休止となった老舗旅館「第一滝本(たきもと)館」の上田俊英総支配人(55)は「電気がなければ暖房も使えず、館内放送さえできない。宿泊客の連絡先もパソコンの中で、連絡を取るのも一苦労だ。山奥でラジオも入らず、情報も不足している」と話す。登別観光協会によると、営業休止による被害総額は4億円を超えるという。

避難所となっている同市の施設では、急遽(きゅうきょ)設置された非常用発電機が轟音(ごうおん)を立てていた。28日夜には氷点下5・7度の厳しい冷え込みの中、242人が不安な一夜を過ごした。寝付かれずロビーにいた漁師(62)は「自宅にいたが、寒くて耐えられなかった。電気のある生活に慣れていたが、今回ほど電気の必要性を実感したことはない」。

27日に11月の観測史上最大となる瞬間風速39・7メートルの暴風雪に見舞われた都市部の室蘭市では、停電で思わぬ被害もあった。「坂の多い室蘭では、道路の融雪設備が停電で使えなくなり、道が凍り付いた」と室蘭観光協会の事務局長(38)は話す。

e0296801_20202721.jpg北海道では泊原発が定期検査に入り、道内の稼働原発はゼロだ。「布団にくるまって寒さをしのぐしかなかった。北海道の冬は泊原発がなければ乗り切れないのでは」。室蘭市のオール電化住宅に住む男性(72)は電気のありがたみを実感していた。

産経新聞 2012.11.29 21:48


この記事に書かれている主張、完全に破綻している。それは原発問題ではなく蓄電問題であり、送電問題であり、災害対策問題だろうが。
それを無理矢理原発問題に結び付けているという……。これがプロパガンダ報道であることは明白である。ちょっと考えればすぐ分かることだと思うが、大手メディアが報道するというブランド性と見出し文句の印象だけで間違った見解を刷り込まれてしまう人間が多いのも事実。
それはなぜか。日本人が忙しいからである。
日常に追われていろんなことを自分で調べたり考え判断している時間がない。だから、世間一般で広く流布している情報を頼ったり、特定のカリスマ性のある人物・団体の見解に身を委ねてしまうのである。
また、そうやって社会の既成権力に従順な国民性であるが故に、迷いなく高速で社会の仕組みを起動させることが可能になっていて、日本人のずば抜けた組織力と能率性、器用さなどにもつながっていると思うのだが、その結果、無思考・無思想で生き過ぎて自身の幸福を自発的に模索追求する能力が個々人・社会の中で十分に育たなかったり、そうした柔軟性の低さ・主体性のなさが、ひいては家族関係の軋轢や崩壊を引き起こし社会の荒廃を招く遠因になっている面も否めないのではないか。
ならば選挙も近い今、旧来の陋習であるこうした世論誘導を行なうメディアの思惑と、日本社会における権力側からのプロパガンダ構造そのものに対して、我々庶民がNOと言うべき時が来ているのではないか?
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by catalyticmonk | 2012-12-01 11:09 | プロパガンダ報道 | Comments(0)


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


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