カテゴリ:宗教の救済性と排他性( 2 )

先祖供養と強迫観念

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別にいろんな宗教思想や信仰の形・価値観があっていいと思っているので、相手が自分のそれを語るのも自由だと考えているのです。ですが、こういう風に信じなさい、とか言われると、自分の宗教観・信念が相手より優っているという前提が言外にある訳です。だから、もうお互いの多様性を認め合う事にならない。
そういう次元の視点が、日本人の宗教家は幼い人が多い気がします。

一般人でも、特に仏教系の先祖崇拝を信じている人などにそういう価値観の押しつけをする人が多いです。墓供養とかしないから病気になるんだ、とかね。
そんな家庭の事情はまちまちなんだから、信仰にしても一律に他人の病気に対してそういうこと言うのは失礼でしょう。

あなたがガンやてんかんになったのは祖先に罪を犯した人がいるから、とかいう論旨も、世界中の先祖信仰で見られますが、儒教道徳の根強い東アジアにおいて特に強い発想です。

輪廻転生を信じるインドでは、実は一部の特殊な層や地域信仰を除き、基本はお墓を作りません。死んだら火葬して灰を川に流すのです。
生きとし生ける者はつながっていて、来世で何に転生してもおかしくないので、現世での家族が絶対的な絆なのではなくて、それを司っている宇宙の理法を重んじる。

だから、日本の葬式仏教というのは、仏教や輪廻転生信仰の源流からも外れていて、また多分に途中の中国や日本自体に古来からある祖先信仰の影響を受けたミックスなのです。
それも、純粋に亡くなった近親者に思いを込めて敬虔な気持ちで向き合う人々の心情も存在する訳ですから、否定も非難もする気はありません。

ですが少なくとも、そうした価値観で自分の家族の罪を償わなければいけない、なんてプレッシャーや強迫観念を個人が感じる必要は全くないし、そうした価値観を他者に強要するのは近代民主主義社会においては無しです。
それだけは信仰云々以前に、人権や個人の尊厳の見地から明言しておきたいですね。

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by catalyticmonk | 2017-04-12 01:28 | 宗教の救済性と排他性 | Comments(0)

宗教の救済性と排他性

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神は信じている者の元に降りてくる。それに形を与え伝えるものがどんなに腐敗していたり陳腐な来歴を持つ考えや組織であったとしても。
宗教はそういう性質のものだと思います。必ず救われる者も出てくる。
そして時に、救われた者が他を排斥し出すことが問題なんですよね。

確かに歴史上、そして現代に至るまで、宗教は相違する信仰・信条間を巡る対立で人類に多大な惨禍をもたらしてきたし、権力者や悪質な商法に都合よく利用され続けています。それでも、そのようなものを必要とする人間は滅びてしまえ、などと私には思えないのです。

私がこういうことを僭越ながら言うのは、アメリカの教会ボランティアに参加したり、インドで生活に信仰が根付いた社会の現実を目にしたからです。
名前のない高邁な精神性や崇高な思想は、一部の教養や生活に思索する機会やゆとりに恵まれている人にしか親しめません。
e0296801_11441895.jpgじっくり思索する時間も心のゆとりもない、または環境的にもそういうことに目が向かない人々が目の前の救いを求める時、やはり祈りを捧げる分かりやすい対象や具体的な組織・事物といったものの価値は大きいでしょう。
愛を感じ伝え合うには、必ず生きた対象が要るように。

人には高尚な思想や理性より先に、まず具体的な救いの対象が必要な場合があります。それを自分自身が信じるにせよ、信じないにせよ、自らの病苦や家族の死などの生きる苦しみに苦悶する人々から、目の前の救いや癒しとなっている心の支えや祈りを奪うことなど出来ないのです。
こうやって書いている自分自身は無宗教なわけですが(アニミズム的なものにシンパシーを感じる、といったところでしょうか)、私個人の見解としても、奇跡は信じるところに起きます。


つまり、物質性・具体性は命に中身を与える上で必要不可欠なのだけれど、同時にそれが生きているものに自他の区別という苦悩や差別・偏見・争いを起こしてしまう。
そうやって現実的には全肯定も全否定もし難いものの一つに信仰の問題があるのだと私は考えています。
誤りは誤りとして是正されなければいけないけれど、人々の心から剥奪することも出来ない価値も存在する、そう柔軟に受け止めていたほうがいいのではないでしょうか?
それは、人間という生身の動物であると同時に精神性で生きる生き物の本質的に抱える矛盾であり、真実なんだと思います。
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by catalyticmonk | 2014-06-22 13:39 | 宗教の救済性と排他性 | Comments(0)


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


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