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君付けとタメ口

e0296801_11225692.jpg国会議員は国会の本会議や委員会で、議長や委員長から「○○君」と呼ばれます。
国会議員を「君付け」で呼んだのは、明治23年に開催された第一回帝国議会が始まりです。当時のアメリカ議会では、議員の名前を呼ぶときには敬称として「Mr.」と付けていました。それを「君」と翻訳して、呼びかけの際に用いるようになりました。その時代にはどちらの国でも男性議員しかいなかったのです。
こうして議員への呼びかけを「君」と呼ぶのが習慣となった今、女性議員が誕生してもこの習慣が続いています。

ただ現代的な意識からすると特殊で、違和感を感じるのも事実です。こうした場所の四角四面な硬さ、融通の利かなさ、が伝わってこないでもなくて、この点は故土井たか子さんが総理大臣を「さん付け」したのが新鮮でした。

呼び方や敬語丁寧語は難しいけれども、そこに格付けの前提がある以上、慎重にありたいですね。気をつけないと他人を侮辱・軽視するニュアンスも生まれてしまいますから。
私は自分が丁寧語で話しているのに、年下の不動産業男性がタメ口で話すので、気に障って仕方ない(笑)。多分、私を若く思っているだけなのでしょうが。

そういう勘違いからその人の相手への格付け意識が伝わってくるのも事実で、差別・被虐体験を持っている人ほど、そこの部分を敏感に察知するものです。
ですが、私自身が海外生活が長かった時期、敬語や丁寧語の使い分けが分からなくなった体験もあるので、相手が単に言葉遣いに不慣れか、そういう慣習が誰に対しても公平にない、と感じられた時には一切気にしません。そう、「公平」ということが人間同士には大切なのです。
なので、私は自分が例えば年長者から呼び捨てにされたりする分には相手が必要以上に空威張りしていない限り構わないのですが、言葉遣いにはかなり慎重です。

逆に、あまりに横柄で相手の上下意識が垣間見えてくると、そうした階級意識への個人レベルでの「革命行為」を全身全霊で行ないます。直前まで丁寧な態度で自分がなめていた人物が、突如猛攻してくるので相手は驚くようです。でも、私も刀はそんなに簡単に抜かないのです。
人間はその時その場の誤解や思い込みもあるものなので、一々尖っている態度だと収拾のつかない事態となって無益な傷付け合いも増えてしまいます。思い込みやすれ違いのようなことでも最初にいきなり斬りつけるみたくしてしまうと、後から話し合いにもなかなかならないのです。野郎、敵討ちの出入りだ、と冗談の如くエスカレートしてしまう。そうならないための礼儀のはずです。

e0296801_1104576.jpgただ、私はこの社会の中の弱者や異端者の味方でありたいと願っています。いつまでも強い側を利するような形での無抵抗主義者ではない、ということです。差別はナアナアにする姿勢が助長する面もあります。
平和に暮らしてきて、自身の尊厳は自分で守るしかない、という状態を経験したことのない人は何を細かいことを、と思う方もいるようですが、これは重要な事柄です。平和に暮らしてきた普通の人が、相手の生まれ持った属性、身体的特徴や出自、思想信条・価値観を深く考えずに差別することこそ世に存在する迫害や抑圧の最大部分なのですから。

自分とは異なる多様な人々と共存共栄していくために一人ひとりの人権や尊厳を守り、だからこそ、その中での平等や自由を調停していく目的があって存在しているのが民主主義です。
その文脈で考えるのならば、やはり男性中心の立場で行なわれていた慣習を、そうした目的追求のために存在する民主主義国家の議会においていつまでも続けているのは如何にもおかしなことだ、と私は感じるのですがね。

馬鹿にしているつもりがなくても、その人に上下意識が強くあると、貧乏人は目下に扱って当然だ、お茶汲みは必ず女性がするものだ、と品行方正な人が考えてしまったりも儘します。ですから、その相手なり慣習なりがどのような基準なのか、といった点を見ていくことも肝心だと感じます。

差別や偏見は誰でも悪気なく犯してしまう面もあります。ですから、それを個人のせいと見なし過ぎないことも大切です。潔癖になり過ぎるとそれ自体が閉鎖的な異物排除の論理になり、そういったことがかつてソ連などでも起きたし、日本の市民運動も陥りがちな罠なのではないでしょうか。
自分は善良だ、と気分だけで思っていても、差別や抑圧は個人発でなく集合的な文化が生み出してしまう面もあって、そこには認識の光を当て続けていく必要があるのだと思います。
by catalyticmonk | 2016-01-19 00:58 | 希望社会 | Comments(0)


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


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