市民共闘

e0296801_06054248.jpg
e0296801_08040828.jpg
共産党支持者の多くは民進党なんて自民補完勢力だ、と思っているし、民進党も共産党には出しゃばらせたくない。
自由党や社民党は直近の都議選では大勝負がなく、無党派層でアンチ安倍政権寄りの人達も政党支持者同士の党派ごとにバチバチやっている感じに近寄りがたいものを感じて、白票を投じないまでも選挙応援を積極的にしにくい状況に置かれている。

党派対立が激しい局面で敢えて投票行為以上に能動的に選択する、ということは、その特定の党派に自身が組み込まれる形になるのだから、どっちにつくか、という空気は、結局最大多数派の無党派層を与党に対抗する勢力に取り込めなくする。
幅広い価値観の人々を緩やかに吸収出来なくなるのは自然な道理。

e0296801_08050120.jpg
私がこういう事を言うのは、自身の体験上の至って自然な実感がある。
私は去年から手術や入退院に明け暮れていて、選挙応援どころではなくなった。その前の年の2015年、戦争法案反対の抗議運動が終わった秋口くらいから具合が悪化したので、私があちこちの選挙運動に参加していたのはその前までだ。

その頃、私自身は何人かの特定政党候補の応援を末端でした。共産党候補の応援もしたし、同時に社民党や緑の党の候補の応援もした。
そういう事を現に多くの無党派市民層がしていたし、「野党共闘」という言葉が現実的な形を取り出す以前から、私が二度の都知事選挙で宇都宮健児さんの支持・応援をしていた事もあって、幅広い支持層と横のつながりが生まれた影響も大きかった。

宇都宮健児さんを支持した者同士が、互いにそれぞれ緑の党や共産党、社民党、生活者ネットワーク等々の候補者を応援し、宇都宮さんご自身も自分を都知事選で支持してくれた人々や野党の選挙応援に方々を回られていた。

ただ、実際にはその当時から政党間毎の様々な軋轢はあって、当初はその難局も緩やかな市民層のネットワークが互いを励まし合うような形で支え合っていたのだけれど、段々とその歪みが積み重なり大きくなっていく一方で、仲間であった人々がバラバラになり、あるいはどこか特定の政党の強固な支持者に収まっていく、という過程がどんどん進行していった。

SEALDsが野党共闘を呼び掛けて飛び回っている頃には、私はすでに手術台の上だった。
手術後間もなく少しだけ都知事選挙の街頭宣伝にも参加したが、野党統一候補をめぐって宇都宮健児さんが出馬を辞退される、という出来事が起きていて、以後、それでも宇都宮さんを支持し続ける人々と、かつては宇都宮さんを支持していたけれどどこか特定の野党についていく人との間に決定的な溝が生まれ、また宇都宮さんご自身も、以前のように野党共闘の看板としていろんな選挙に呼ばれる、といった機会がなくなっていったようだ。

私自身は宇都宮さんを都知事選挙で支持する事が市民運動参加の大きなきっかけとなった人間で、それ以前に311直後から反原発運動には度々参加していたものの、がん告知や諸々の個人的事情でそれどころでなくなっていた期間も長くて、あくまで病気の小康期に都知事選挙関連で徐々に広がっていった面が強い。

それでも独立独歩でものを考え行動する人間なので、自分を単なる宇都宮信者とか山本太郎信者みたいな分類に入れられる気はさらさらなくて、候補者や政党の支持もその時々の状況や具体的な政策を見て選んでいる。

ただ、この安倍政権が長らく高い支持率と議席率の中で盤石に続き、特定秘密保護法や安保法制、共謀罪といった重大な法案が数の力で強行採決されまくる難局の中で、そこに対抗している市民はまとまった力になるべきところを、ひたすら分裂していく一方だった。

e0296801_07542019.jpg何か結局のところ、ずっと昔から続く日本の市民運動の図式の流れそのものであって、それが変わるかも知れない、という空気が高まった時、311以降にも、特定秘密保護法や安保法制反対の頃にも、新しい積極的な政治参画層が一般社会から流入して、一部は既存の特定政治勢力に吸収され、大半は去り、ごく一部の人々がそれでも新しい流れを模索する、といった繰り返しが成されているのは間違いない。

だけれども、全体としては緩慢をつけながら弱体化する一方であったのも確かで、ただ昔から変わらない当然の流れだ、と受け入れていてもいけない気がする。
今、野党共闘という言葉は継続しているけれども、それが本当の意味での寛容な空気や多様な価値観・政治信条の融和性を示しているのだろうか。

一般人が、例えば民進党候補や共産党候補を同時に積極的に応援しながら、複雑な党派対立に巻き込まれ後ずさりしないで済むような、そうした空気作りがないままならば、ますます与党と既成権力の看板の架け替えでしかない勢力が、庶民置き去りの横暴な政治を続けることは疑うべくもない。

e0296801_08061295.jpgだから、現実的には既に「野党共闘」という言葉もほころびを見せ始めているのだと思う。
「野党共闘」と言った場合、それが「市民共闘」の象徴として正しく機能するのであれば健全なのだけれど、実際にはそれの意味する「野党」とは、既存の「国政政党」である民進党、共産党、自由党、社民党の四つを指しているに過ぎない。国政参加を目指しているその他の政党支持層や独自の政治見解を持つ人々にも息苦しいものを感じさせる。

それがどんなに合理的な判断と思えても、異なる価値観の人々への過剰なごり押しは禁物だ。それは安倍政権に対抗する市民層の分裂を招くだけでなく、政府に不満を抱きつつ政治参加には消極的な層に連帯の輪を広げていく事を困難にする。

「野党共闘」という言葉で括られている各党の支持者は、当然元々自勢力の拡大を政治集団の原則として持っているのだから、「野党共闘」の大義と共に、どんどん謙虚さを失い、野党四党支持層以外の有権者に以前よりも声高にごり押しをしている面がある。「野党共闘」という言葉を使って自党への勧誘を必死でしていて、それでますます全体としては安倍政権に対抗する仲間を増やしていけなくなる負け試合に向かっている。

いや、各党が頑張ればいい。出来る事なら野党共闘も無党派層やその他の政治勢力の取り込みも行なえるような融和的な形で行なって、与党打倒後の受け皿を健全に模索していって欲しい。
だけれども肝心な目的は、たった四つの「野党」が連帯し合うところに焦点がある訳ではなく、市民が、有権者が共闘するところにあるのだ、という点を今一度忘れないでもらいたい、と願っているのは私一人だけなのだろうか。
e0296801_07504000.jpg
e0296801_06065186.jpg

[PR]
by catalyticmonk | 2017-06-18 06:07 | 希望社会 | Comments(2)
Commented by あ# at 2017-06-18 16:50 x
日本人って、価値観が異なる生き方をしている人を「自分とは違う生き方の人なんだな」とは思えず「あの人は非常識だ≒(社会の)迷惑だ」と断じないと気が済まない人が多すぎるんですよ。それを普段の生活から(会社でとか、ママ友とか)やっているものだから、私は野党共闘よりも市民共闘の方が難しいと思います。
Commented by catalyticmonk at 2017-06-19 02:00
そう、普段の生活からやっていますね。
ただ、野党共闘よりも市民共闘の方が難しい、としたところで、異なる価値観の人々への過剰なごり押しを「野党共闘」の名の下に加熱させては逆効果だ、という話です。
市民層の分裂を招きますし、最大多数派の無党派ノンポリ層が政府に不満を抱きつつも未だに政治参加へのハードルが高い、と感じている現状がありますから、もっと寛容になりましょうよ、と互いに声掛け合っていく必要性はあるでしょう。


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


by catalyticmonk

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
インド生活
貨幣経済
学校教育
チャップリン
経済開発と環境破壊
忘れ物
輪廻転生
言論の自由と情報リテラシー
自己経歴
名古屋及び尾張地方の土地柄
貧困差別・人権教育
不安夢
旅の糧
異端者を作り出し疎外する社会
瞑想センター
大量消費社会の本質
読書
Drawling Stone
ネアンデルタール人
盗作事件
プロパガンダ報道
ゆとり社会
皆影響され翻弄される
人間は必ず過ちを犯す
地球人
優越感の生物学的功罪
グローバリゼーションと全体主義
衆愚政治の回避と個の確立
季節の変わり目
ネグレクト、児童虐待
生と死のリテラシー
宗教の救済性と排他性
地元意識と首都
ブラック企業
反戦
湯宿ファンタジー
福島第一原発事故
陰謀論とオカルト
魔女狩り
性の分断
ジェンダー
依存症
ネオテニー論
ゲマインシャフト
希望社会
意思疎通
メディアリテラシー
個の尊重と人権
イスラエル
風俗業
集団的自衛権
嫌韓嫌中
サイコパス
ごみ屋敷
呪術
ファッション
食品添加物
ポジティブ思考
表現の自由
太鼓持ち芸人
無縁社会
経済と個人の実存
ヤンキー文化
精神医療
監視社会
相互抑圧
思想の自発的更新性
消費課税
高度情報化社会とSNSに感ずる諸々
草の根市民運動と選挙
マイノリティー差別
喫煙
人間の尊厳
支配構造
地震
食事
セクシャリティ
推敲
オトコ
アイドル
人権
医療問題
ハリウッド
ハイコンテクスト文化
未分類

フォロー中のブログ

最新のコメント

分かります。 ただ、ど..
by catalyticmonk at 13:03
 貴方の話は実によく解る..
by たちはくとものを at 05:55
https://www...
by catalyticmonk at 14:52
しかし、この内容でFac..
by catalyticmonk at 13:08
そう、普段の生活からやっ..
by catalyticmonk at 02:00
日本人って、価値観が異な..
by あ# at 16:50
分かります。 それが便..
by catalyticmonk at 17:51
その力が国民にはあるから..
by catalyticmonk at 17:32
総理は社長かもしれません..
by きょうかいな at 22:42
ども(・Д・)ノ
by catalyticmonk at 18:36

メモ帳

最新のトラックバック

venushack.com
from venushack.com
venushack.com
from venushack.com
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
呪術師,寄合,メディア
from 哲学はなぜ間違うのか
シールズ関西のブログ記事
from 御言葉をください2

ライフログ

検索

ブログパーツ

最新の記事

目的追求と和やかさの折り合い
at 2018-05-23 23:57
誰もが特別な存在だ。
at 2018-05-16 01:50
正直、準備はまだ出来ていない。
at 2018-05-16 01:36
ナンパ
at 2018-05-12 18:01
自然体と『なりきりさん』
at 2018-05-12 17:47
社会心理として捉えた場合の日..
at 2018-05-10 23:00
旅の糧(7)
at 2018-05-10 00:02
保守層にもリベラル層にもある..
at 2018-04-14 00:23
真面目な話はただの下世話なペ..
at 2018-04-14 00:03
精神論の意義と限界、その功罪..
at 2018-04-02 00:55
朱に交わればマジ卍
at 2018-04-02 00:31
家畜は嫌だ
at 2018-03-29 00:15
有名人オーラ
at 2018-03-23 00:13
文章と共にある私の精神生活
at 2018-03-21 20:41
何が有益な知識や判断の規準か
at 2018-03-21 20:30
その人自身の命が輝くための自由
at 2018-03-10 03:23
ヒステリックな管理社会というやつ
at 2018-02-21 00:17
派手な方達の余生というもの
at 2018-02-21 00:14
最高の体験は最高だ
at 2018-02-16 20:28
SNSは社会を退化させるのか
at 2018-02-09 00:52

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
哲学・思想

画像一覧