カテゴリ:高度情報化社会とSNSに感ずる諸々( 2 )

SNSは社会を退化させるのか

e0296801_01053753.jpg
e0296801_01060678.jpg
Facebook本社のある当のアメリカでは、結構Facebook離れが進行中らしい。
日本の若者も、最近はSNSはLINEやInstagram主流になってきているな、というのは感じていた。

確かに時期によってSNSの流行り廃りはあると思う。
私も最初は海外の友人に勧められてFacebookを始めて、それは10年くらい前だった。そのアカウントはアカウント乗っ取りもあって一度消して、日本で流行りだしたので、また復活させたという流れだった。

アメリカではFacebookのニュースや情報は、まずフェイクニュースだと思っている人が多い、と知人情報。
仕事や学業などにも影響を与えてしまうようなので、Facebookの利用率が低下してきたと言う。日本とは逆に、高校生くらいの若い年代は別かも知れないが、と。

元々、SNSでの投稿でのコメントやメールだけでの会話は、声や表情を見ていない分、かなり神経も遣う。
最近のアメリカのサンディエゴ州立大学での大規模調査で、SNSを使用する10代の子供達の幸福感がどんどん低くなっているという調査結果が出た。


スマートフォンが子供世代に与えた影響は?

〈毎年1,100万人の若者を対象に行っている調査の中で、私は、十代の若者の態度と振る舞いに変化があることに気が付いた。十代の若者の時間の使い方が、2010年あたりから前の世代と違ったものになり始めていた。そして、2012年あたりには、彼らの精神的満足感に急激な変化が見られ始めた。これらを総合して考えると、世代の境は1995年辺りにあり、この新しいポスト・ミレニアル世代は既に大学にいることになる。

このような若者(ティーンエイジャーや若い大人たち)に共通することが一つある。それは、彼らは少年時代と思春期をスマートフォンの普及に伴い過ごしてきたということだ。〉

〈2015年の調査によると、アメリカの十代の3分の2はiPhoneを所有しているという。このことから、私はこの新しい世代をiGen世代と呼ぶことにした。〉

〈何がiGen世代を特別にしているのだろうか?スマートフォンを持って成長することは、彼らの生活の大部分に影響をもたらした。私が著書の為に行った大規模な調査によると、一日に6時間も彼らはインターネットを使ったり、友達にメールを打ったり、SNS上で過ごしており、他のことに使う時間が制限されている。

この影響は、昔は誰しもが大好きだった、友達と遊ぶ時間にも影響している。パーティーに行くことにおいても、買い物を楽しむことにおいても、映画を見ることにおいても、あてもなくドライブすることにおいても、iGen世代の青年たちはミレニアル世代に比べて非常に消極的である。

iGen世代がミレニアル世代と異なっている点はもう一つある。鬱状態、不安感、孤独感は2012年以降大幅に増加傾向にあり、幸福度は下がっている。

十代の自殺率は、臨床レベルの鬱を患う十代の数と共に、50%以上も上昇しているのだ。〉

〈さらにiGen世代は、他の世代が十代だった頃に比べて、本、雑誌や新聞を読む量がとても少ない。毎年行われる将来モニター調査(Monitoring the Future)によると、自主的に本や雑誌をほぼ毎日読む高校三年生は1980年に60%だったが、2015年には16%まで落ちたという。SAT(Scholastic Assessment Test アメリカの大学進学適性試験)の読解の点が2005年から14点も下がっているのも、その結果かも知れない。大学教員が私に教えてくれたところによると、学生は長い文章を読むのにより苦戦するようになり、課題の教科書をほぼ読んでこないという。〉

〈誤解のないように述べておくと、一日1時間以内の節度のあるスマートフォンとSNS利用はメンタルヘルスに影響がみられない。しかしながら、ほとんどの十代(と大人)はそれよりももっと長くスマートフォンを使っている。

驚くべきことに、iGen世代にインタビューをとったところ、彼らはスマートフォンで友達とコミュニケーションをとることよりも、友達と会って話すことのほうが好きだと答えた。昔は友達と遊びすぎることが、親の悩みの種だった。友達と遊ぶのは、子どもの気を散らすし、悪影響があるし、時間の無駄だった。

今はそれがiGen世代にとって一番欠けているものかもしれない。〉
e0296801_01071253.jpg


また、アメリカの社会問題として、他者と比べたり、そういうSNS上でのリア充な人の投稿や写真を見て、嫉妬などからネガティブな気持ちになって、自殺や拒食、過食症にまでなる10代の子供が増えているそうだ。

ただ、どのみち、もうみんなあまり電話で連絡し合わなくなってきていて、現代社会で何かしら用件を伝える時の連絡網の第一はSNSになってきている。そこはもう後戻りしないだろう。
そして反面では、FacebookなどのSNSに心を救われた、と言う人もいる。

ある、Facebookを通して社会問題に関心の高い人々と多くつながりを持てたらしい知人は次のように述べていた。
「だって、ここでは、電車の遅延に対しても、飛び込み自殺するところまで追い詰められていた人を非難するって、どれだけ社会が疲弊してて、人を悼む感覚が麻痺してるんだろうと嘆く人の方が大半で。実社会で、それまで見聞きしていた人なんか『迷惑なクソ野郎』『早く死ねばいいのにね』と言う人しかいない状況だった。以前の一般社会にいた頃は、人はどれだけ無神経で冷酷で心なんか絶対開けない人ばかりかって思っていたから」と。

幅広い意見を物理的に目の前にある日常以外の外の世界から、しかも自分の意思である程度探し出せる、という点もSNSのそれまでの時代にはなかった大きな利点かも知れない。
また、現実だけの付き合いだったら、お互いそんな深い所まで知る事はなかっただろうな、と思うような、密度の濃い対話が時折発生するのも事実だ。文章表現でしか練り上げられない内容、若しくは会話ではなかなか語る機会のない思いというものは存在する訳で、そこの各人の自己表現そのものは否定すべきものではないし、その機会をSNSが拡大させた側面もあるのだろう。

ただ同時に、文章でこそ、会話以上に細かい考えの襞まで知れる相手もいる一方で、直接会って一杯飲んで会話するとよく分かるのに、文章を通してだとディテールを表現する事も理解する事も今一つ苦手らしくて混線するだけ、という相手もいる。
だから、文章を通したコミュニケーション手段は相手を選ばないと効率が良くない、というのも一面の真実だとは思う。


日本だと中高年の、ある程度ITを扱う層は、特にFBやTwitterを利用しているようだ。
それに関する記事には以下のようなものがある。

シニアが利用しているSNS上位は「Facebook、Twitter」、利用状況Facebookは「近況投稿」Twitterは「閲覧のみ」が最多

シニアの生活意識調査:ソニー生命調べ

そして、次の記事が日本のシニア世代のFacebook優位傾向について、なかなか面白い分析を述べている。

なぜシニア世代は「Facebook」を好むのか? その理由に思わず納得

〈シニア世代はもちろん写真も大切ですが、やはり文字を使って自分の状況や思いを語りたい、知らせたいという思いが強いのです。だから、誰だかわからない匿名やニックネームでの利用は論外です。写真がメインのInstagramも同様です。
また、若いうちは、今日、どこでどうしたということを投稿して、多くの「いいね!」を稼ぐ一過性の評価で満足かもしれませんが、シニアの場合は、記録性を求めます。その事柄とのかかわり、それへの思い、関連する知識や経験(つまり蘊蓄)などを語る一種の自己表現手段として利用している面もあるのです。〉

〈確かに、Facebookのシニア世代の投稿では、文字数が多い傾向があります。自身のブログに誘導する人もいますが、なかには、写真はなしで、延々と近況や思いを語る長文投稿も少なくありません。

そんなものを誰が読むのかと思うかもしれませんが、その人は、どのくらい自分の言いたいことを表現できたかに重きを置いているのであって、読まれるかどうかはそれほど気にしていないかもしれないのです。〉


まあ、私自身も元からブログを書いているので、Facebookはその延長、及びブログ記事の予行演習という側面がある。まさに「一種の自己表現手段として利用している」訳だ。

だから、直接SNS上で拡散性がなくても、そこで文章表現でしか練り上げられない内容、若しくは会話ではなかなか語る機会のない思いをまとめ上げる練習になればいい、という感覚はある。
つまり、SNS上の記録性はさほど期待していないけれども、その前段階くらいの意識で、そこに一から十まで全部自分一人の頭の中で練り上げるのでない程良いリアクションも得られればいい、といったところか。

だから、私のように文章表現が元から自己表現の一角を占めている人間にとっては、必ずしもマイナスな話ばかりでもない。
SNSがあろうがなかろうが、文章を結局書いてきたから、それを日常的に小出しにする窓口は確かに増えた訳だ。
インドに住んでいた頃など、まだSNSは何も利用していなくて、膨大な量の手記を一人で書き溜めていたが、SNSがあれば、ああした雑記も少しずつ流す機会はあった事だろう。
ただ、やはり文章を通した議論やコミュニケーションのやり取りというもの自体の厄介さ、面倒臭さは非常に感じている。


とどのつまり整理して考えるに、情報発信や連絡ツールとしての利便性そのものが問題なのではない。
他の本来あるべきリアルなコミュニケーションの機会を減らしてまで、代替のコミュニケーション手段として増幅させてしまうと、人間の社会生活や幸福度にとって有害なのがSNSではあって、そこに誘導させていく催眠力のようなものこそが、現代社会でSNSが発揮してしまっている最大の危険性であり、課題点なのではないだろうか。
e0296801_01081779.jpg

[PR]
by catalyticmonk | 2018-02-09 00:52 | 高度情報化社会とSNSに感ずる諸々 | Comments(0)

写真撮影

以前にもネット上で書いたことなのですが、また最近集会やデモの場で撮影してSNS等で流した写真でお褒めいただくことが何度かあり、それは素直に喜ぶとしても、私自身に写真をちゃんと上達しようというこだわりがないので、本気で撮っているかのように受け取る方もおられる現実にはやや恐縮しております。
なので、今一度蛇足な説明をさせて下さい^_^;

私がSNS、インターネット上に流す写真に意義があるとすれば、それは周知用の速報性だけです。
私は文章はまだしも仕事として書いていた経験が若干ありますが、写真に関してはまったくの素人なのです。投稿記事に対して今の時代の流れに合わせて説明的な画像も添付している、ということに過ぎません。

実のところ、文章だけの長ったらしいレポートも書けるのですが、映像や視覚的なものに慣れ親しんでいて時間も忙しい現代人は、特にインターネットのSNSなどではそういったものをあまり読んでくれず、労力をかけるだけムダな側面があることに気付いてきました。
それで試しに下手な写真も添えたら拡散率が上がったので、そのまま必要に迫られて撮っている、というのが事実ありのままです。
また、コピーライター的な短いキャッチャーな文章を書くセンスのない私には、間をもたせてくれる要素がある写真によって拙い文章を補ってもらわないと、ますますIT化の進む一方の現代の風潮から取り残される、といった部分もあります。

趣味の次元で言っても機械音痴なので、カメラ全般よりまだPhotoshopなどの画像編集ソフトの方がいくらか使い勝手が分かる、といった感じです。
写真撮影に熱意を注がれている方々のフィールドを荒らす気はなくとも、インターネット上での情報発信として時流に逆らえない、といったところです。

あと、もしそんな私が撮ったものが奇跡的に写真としての価値を持つ側面があるとしたら、それは写ってくださる方のオーラや現場の熱気といったもので、私の能力とは関係のない力です。
現代のIT化社会の通常として誰にでも出来る簡単な情報ツールを利用しているというだけなので、どうかどうか間違ってもメールで「これからも河元さんには是非いい写真を撮っていただきたい」とか、そんな畏れ多い言葉をくださいますな。真面目な方のそういう純粋な好意に満ちた激励こそ、真に私は当惑してしまいます(笑)!

[PR]
by catalyticmonk | 2014-10-29 00:17 | 高度情報化社会とSNSに感ずる諸々 | Comments(0)


溢れ出る部分を勝手にやっています。異端者のあなた、多分私はあなたの味方か仲間です。 河元玲太朗


by catalyticmonk

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
インド生活
貨幣経済
学校教育
チャップリン
経済開発と環境破壊
忘れ物
輪廻転生
言論の自由と情報リテラシー
自己経歴
名古屋及び尾張地方の土地柄
貧困差別・人権教育
不安夢
旅の糧
異端者を作り出し疎外する社会
瞑想センター
大量消費社会の本質
読書
Drawling Stone
ネアンデルタール人
盗作事件
プロパガンダ報道
ゆとり社会
皆影響され翻弄される
人間は必ず過ちを犯す
地球人
優越感の生物学的功罪
グローバリゼーションと全体主義
衆愚政治の回避と個の確立
季節の変わり目
ネグレクト、児童虐待
生と死のリテラシー
宗教の救済性と排他性
地元意識と首都
ブラック企業
反戦
湯宿ファンタジー
福島第一原発事故
陰謀論とオカルト
魔女狩り
性の分断
ジェンダー
依存症
ネオテニー論
ゲマインシャフト
希望社会
意思疎通
メディアリテラシー
個の尊重と人権
イスラエル
風俗業
集団的自衛権
嫌韓嫌中
サイコパス
ごみ屋敷
呪術
ファッション
食品添加物
ポジティブ思考
表現の自由
太鼓持ち芸人
無縁社会
経済と個人の実存
ヤンキー文化
精神医療
監視社会
相互抑圧
思想の自発的更新性
消費課税
高度情報化社会とSNSに感ずる諸々
草の根市民運動と選挙
マイノリティー差別
喫煙
人間の尊厳
支配構造
地震
食事
セクシャリティ
推敲
オトコ
アイドル
人権
医療問題
ハリウッド
ハイコンテクスト文化
未分類

フォロー中のブログ

最新のコメント

分かります。 ただ、ど..
by catalyticmonk at 13:03
 貴方の話は実によく解る..
by たちはくとものを at 05:55
https://www...
by catalyticmonk at 14:52
しかし、この内容でFac..
by catalyticmonk at 13:08
そう、普段の生活からやっ..
by catalyticmonk at 02:00
日本人って、価値観が異な..
by あ# at 16:50
分かります。 それが便..
by catalyticmonk at 17:51
その力が国民にはあるから..
by catalyticmonk at 17:32
総理は社長かもしれません..
by きょうかいな at 22:42
ども(・Д・)ノ
by catalyticmonk at 18:36

メモ帳

最新のトラックバック

venushack.com
from venushack.com
venushack.com
from venushack.com
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
呪術師,寄合,メディア
from 哲学はなぜ間違うのか
シールズ関西のブログ記事
from 御言葉をください2

ライフログ

検索

ブログパーツ

最新の記事

保守層にもリベラル層にもある..
at 2018-04-14 00:23
真面目な話はただの下世話なペ..
at 2018-04-14 00:03
精神論の意義と限界、その功罪..
at 2018-04-02 00:55
朱に交わればマジ卍
at 2018-04-02 00:31
家畜は嫌だ
at 2018-03-29 00:15
有名人オーラ
at 2018-03-23 00:13
文章と共にある私の精神生活
at 2018-03-21 20:41
何が有益な知識や判断の規準か
at 2018-03-21 20:30
その人自身の命が輝くための自由
at 2018-03-10 03:23
ヒステリックな管理社会というやつ
at 2018-02-21 00:17
派手な方達の余生というもの
at 2018-02-21 00:14
最高の体験は最高だ
at 2018-02-16 20:28
SNSは社会を退化させるのか
at 2018-02-09 00:52
ワクワクして生きること
at 2018-01-31 19:28
日本人の差別意識
at 2018-01-30 23:48
「清貧」とは、「極貧」じゃない
at 2018-01-29 00:20
すれ違いざまにキモいと言う若者
at 2018-01-24 00:00
現代日本の若者事情とハイコン..
at 2018-01-17 22:12
ドロシー嬢を破滅させた銀幕魔..
at 2018-01-17 21:33
ピンと来る
at 2018-01-17 21:20

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
哲学・思想

画像一覧